Jul 31, 2006

Jul 18, 2006

シークレット・エージェント

さて,いまナカムラはセントレア空港にいるわけだが,なぜかというにシンガポールで開催されるAOGSなる学会に参加するためである。で,さきほど,空港の銀行で円をシンガポールドルに交換したのだが,そのときにいつものように名前と電話番号を書けといわれた。これって理不尽じゃないですか? なぜ外貨を買うだけなのに,こちらの個人情報を銀行員にあかさなければならないのだろう。銀行員といえども善人ばかりとは限らないので,電話番号をどこかにもらさないとも限らない。ナカムラのようなさえないオッサンは別にいいが,妙齢の女性などだと,ストーカー被害にあわないか不安ではなかろうか?

ナカムラは以前,住んでいたアパートに正体不明の勧誘電話やらなんやらが頻繁にかかってくるということがあってから,自分の住所や電話番号は極力書かないようにしている。そうやってみると,日本の国というのは通貨両替に限らず,電化製品を買うのからクイックマッサージをうけるのまで,いろんなところで不条理に住所氏名電話番号を要求されるのに気づきますね。数年前,やはり空港の銀行カウンターで両替をしようとしたときに,以下のような会話があったのを思い出す。

ナカムラ(以下中):これ両替お願いします。
銀行員(以下銀):あ,お客様,ここに電話番号をお願いします。
:いやです。
:は?
:電話番号を書くのがいやだといっているのです。
:しかし書いていただくことになっているのですが。
:「なっている」ってどのレベルで決まっているのですか? 単なる習慣ですか? 銀行の内規ですか? 法律ですか? それとも聖書か仏典に書いてあるのですか? そもそも,なんで両替程度のことに電話番号がいるのですか?
:いや,なにか手違いがあったときにご連絡差し上げられるように伺っているのです。
:ということは,おたくの銀行はそんなに手違いが起こるということなのですか?
:(怒怒怒怒…)

ナカムラは,このとき,普段慇懃な銀行員が本気で怒りをあらわにするのを初めて目にした。コワカッタ。しかし,今から考えると理屈っぽくて,ちょーイヤな客ですね。で,それ以降,ナカムラも反省して,なるべく波風がたたないように断るようにした。たとえば「引っ越したばかりで電話がまだないのです」とか,「外国に住んでいて,日本に住所はありません」とか。

さらに最近は個人情報保護法案などの関係で「電話番号書くのいやです」と言ったら,たいがいの場所で「あ,それなら結構です」とあっさりと認められるようになった。そうしたらそうしたで,なんかちょっと物足りない(←天邪鬼)ので,ナカムラは最近は 「個人情報は残さないことにしてるんです。実はCIAのエージェントなもんで」と言うようにしている。するとたいていの場合は 「ご冗談を」って感じでわらってすまされて,雰囲気なごやか。先ほど両替したときもそうだった。

一度だけ,金沢のクイックマッサージのお姉さんが目を丸くして「えーっ,本当ですか?」と訊いてきたことがある,こういう天然ボケな娘はいいなあ。いちばん困るのは,全くなにごともなかったかのように「ああ,そうですか。それなら結構です」と軽く流される場合。これは心底寒いです,100満ボルトのお兄さん。


…という文章は,実はセントレア空港での待ち時間に書いて,無線LANで自分のサイトに書き込もうと思っていたものだ。なんとなくモバイラって感じでカッコヨイでしょ? ところが,なんと,セントレアには無料のスポットがなくて,そのままシンガポールに行ってしまった。そして,シンガポールではこの文章のことはコロっとわすれていて,今,福井に帰ってきて自分の研究室から書き込んでいるわけだが,なんか,旅先で買って出そうと思っていて忘れてた絵はがきを,帰ってから切手貼って出すみたいでマヌケですね。