Jan 22, 2007

流れる川は川の流れるがままに…

あまり話題になってないようだが,昨日あったセンター試験の「理科総合B」の第4問・問5は以下のような問題だった。

より多くの生物が川で生息できるようにするためには,川をどのようにすればよいか。最も適当なものを,次の1〜5のうちから一つ選べ。
  1. 土手をコンクリートで固めて崩れないようにする。
  2. 川の蛇行をなくして,まっすぐに流れるようにする。
  3. 川底の段差や石や砂は残しておく。
  4. 橋や鉄橋を多く架ける。
  5. 河川敷を公園化して多くの人の憩の場にする。

大学入試センター発表の正解によると,答は3だそうだが,これって本当? まず,「より多く」というのが個体数を多くするのか,種の数を多くするのかが不明。個体数だとすると,単細胞生物に比べて,魚や蟹などの構造が複雑な生物の数は全く無視できるので,公園化によって出る食べ残しなどでプランクトンが増える方が有効ではなかろうか,などと考えると迷いなく3が正解とは言えないような気がする。そもそも,この問題はなにを意図してるのかよくわからないんですが。

Comments and Trackbacks

国語の問題

出題文をよく読み、出題者の当該問題に関する理解の程度を推測し、意図されている正解を的確に判断し解答する能力を問う。

あるいは、国交省(建設省)の河川行政における考え方の変遷を問う社会科の問題か?

Posted by murak at 2007/01/23 (Tue) 04:50:00

中学入試か?

それにしてもナカムラさんは何というひねくれたものの見方をするのでしょうか。難しいことを言う前に、この5者択一の設問で答えは3以外にはあり得ないでしょう。それとも個体数が多ければ、バクテリアや細菌が何億個もいそうな下水路のようなのをを多くの生物が生息する川とでもお思いですか?
しかしこの問題が大学入試とはひどいです。おそらく小学生でもこの問題はほぼ100%正解するでしょう。どうせ文句を言うなら設問のレベルに文句をつけてほしいものです。

Posted by 通りがかりの者 at 2007/01/23 (Tue) 11:59:51

生物はどこまで含むの?

ナカムラさんが特別ひねくれたものの見方をするとは思えないんですけど・・・あぁ俺もひねくれてるか。
個体数でいけばバクテリア(細菌)の多い水が生物は一番多いでしょう。(生物種が対象としてもそうじゃないかとも思いますが・・・)

しかし、この問題は酷い。
確かに小学生は正解率が高くなるかもしれませんね。
小学生の知見としての生物が対象なら・・・でも難しいなぁ。
「人が増える→人工物の造作→ますます人が増える→川が汚れる→鮎や蛍がいなくなる→生物、減ってるじゃん」という短絡的な発想なのかしらん。

Posted by ハリケーン at 2007/01/23 (Tue) 15:15:38

二酸化炭素濃度増加と地球温暖化

http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/center/center07/bunseki/index.html
2006年と2007年に二酸化炭素濃度増加と地球温暖化の問題
が理科総合AとBで連続して出題されていますが,現行指導要領に
項目として明記されていますね.これならば,連続して出されるこ
ともありえます.

・地球が温暖化してきた結果,二酸化炭素濃度が増加している.
・二酸化炭素濃度が増加した結果,温暖化が引き起こされた.
のどちらが正しいか等まだ解明されていないこととか,高校の現行
教科書にはどんな記述があるのかな?政策に引きずられて,後者の
ことしか書いていなかったら,片手落ちにちがいないな.

Posted by hrgy at 2007/01/23 (Tue) 15:31:28

設問のレベルなら

物理の2問目も結構脱力しました。
鉄と、アルミと、プラスチックで、
磁石にくっつくのと、電気が流れるのと、そうでないのに
分ける問題です。

Posted by na at 2007/01/24 (Wed) 12:38:15

二酸化炭素

確かに二段上のような書き方でどちらが正しいかと問われると、単純には答えられなくなりますね。

「二酸化炭素濃度の増加が地表付近の気温上昇を引き起こす」事自体に関する因果関係は明確であり、また過去に地球上で起こった地質学的時間スケールでの様々な気候変動を大気組成の変化抜きに説明することは困難です。一方、地球上では様々な現象が複雑に絡み合いながら起こっており、その中には気温の上昇が二酸化炭素濃度の上昇につながるような現象もあれば、逆に働く現象もあります。その結果、(風が吹けば桶屋が儲かる的に?)気温上昇が全球的な二酸化炭素濃度を上昇させる事はあります。実際年々変動のスケールで地上付近の全球平均気温の変動と大気中の二酸化炭素濃度の変動の関係をプロットすると確かに気温変動が先行しているようにも見えます。しかしこれは、現象を見ている時間・空間スケールによってどのプロセスが支配的になるかが変わってくるために起こることで、時間スケールを変えればまた違ったものが見えてきます。現在十分に解明されていないのはこうした点、すなわち温室効果気体の濃度変化にかかわる各種プロセスの定量的な実態把握と、それらが統合された結果の(時間スケール毎の)定量的評価でしょうか。

ただし、現在の温暖化問題で扱われている百年程度の時間ス
ケールで見るなら、人間による化石燃料の使用が(それを除いた自然変動の範囲を超えて)大気中の二酸化炭素濃度を上昇させていることは確かでしょう。

Posted by murak at 2007/01/24 (Wed) 15:28:44

Re: 二酸化炭素

murak さん,やっぱり,現行の「理科総合A」なんかで
どんな教科書の書き方をされているか,見てみた方が
いいですね.学習参考書ではいけません.

センター試験にて,毎年出るような題材になってしまっ
たもんで,高校生にとっては「これが地球温暖化機構の
定説だ」と言うことになってしまうんで...

Posted by hrgy at 2007/01/24 (Wed) 16:18:50

生物学を研究している者としては、中村さんの考えが正しいといわざるを得ないですね。1や2によって川の自浄能力が低下することによって細菌が大量発生して、個体数が増える、という考え方が出来ますので、3が正解とは限りません。この問題は作問ミスといわれてもしかたがないですね。

Posted by ちゃありー at 2007/01/24 (Wed) 16:39:32

コメント多謝

いろいろとコメントありがとうございます。

>それとも個体数が多ければ、バクテリアや細菌が何億個もいそうな下水路のようなのをを多くの生物が生息する川とでもお思いですか?

お思いです。「個体数が多ければ、(中略)多くの生物が生息する川」ってほとんど恒真命題のような気がするんですが…。

ところで,物理のお茶をさます問題のひとつめの設問は,なかなか良い問題だと感心しました。

Posted by 中村 at 2007/01/24 (Wed) 18:16:31

温暖化

地球の気温のように様々な変動成分が含まれている量の中で緩慢に起こっている変化について、現在それが本当に起こっているのかとか、その原因が何であるかを特定する事は簡単な事ではない筈ですが、メカニズム的なことを問うことに何の問題もないと思いますが?

(教科書の記述については確認できないのでコメント出来ませんが。)

本来の論旨からはずれた発言になってしまい申し訳ありません。 > 宿主様

Posted by murak at 2007/01/24 (Wed) 20:55:36

温暖化

温暖化問題については、この手の、二酸化炭素を物質として攻撃する短絡思考のせいで、「じゃあ二酸化炭素を自然の循環から隔離すりゃいいじゃないか」って議論になっているところが怖い。先月朝日に投稿したけど無視された模様です(購読していないので確認にしようがないけど)。地球の歴史を考えれば、昔の方が今よりもCO2が多くて暖かかったんですよね、そりゃ総光量は今の方が少し多いけど、温度は今の方が低い。それを説明するのにガイア仮説ってあるけど、二酸化炭素を地下に封じ込めたら、そのガイアも効かなくするわけで、とんでもない話なんですが、単に「二酸化炭素=悪」とやっているとそれが見えなくなるんですなあ(詳しくはリンク先を)。センター試験でこんな事をやられたら困りますよ。

Posted by 山内 at 2007/01/26 (Fri) 05:29:46

短絡的なのは誰?

環境問題としての地球温暖化が既に自然科学の枠を越えた政治的問題となっていて、センター試験の出題傾向にも影響を及ぼしていると云う指摘は多分程度正しいでしょう。しかしそれが「二酸化炭素=悪」とする短絡思考から来ていると考えるのは、それ自体が短絡的思考になっているように思えます。温暖化問題において二酸化炭素が論点になるのは勿論理由があります。一つには大気中の二酸化炭素濃度が地球の平均的な気候状態を決める重要な因子になっていることは(理論的な問題として)明らかである事。これは「現在地球温暖化が進行しているのか?」とか、その原因が「人間活動による二酸化炭素排出にあるのか?」という問いかけとは無関係に成立します。もう一つの理由は二酸化炭素濃度は(ある程度は)人間にもコントロール可能なものだという点です。しばしば指摘される様に、地球の場合水蒸気の方がトータルな温室効果には確かに大きく寄与しているわけですが、大気の性質として気温の上昇は更なる水蒸気量の増加をもたらし、それは温暖化を加速する方向に作用します。このプロセスは気候系を考える際にはほぼ自動的に決まっていると考えてよく、それを人間がコントロールすることは殆ど不可能です。一方、産業革命以降の二酸化炭素濃度の上昇についてはそれが人間活動の影響である事(つまり自然変動の範囲を越えている事)はかなり確かなので、逆に言えば排出規制等の人間側のコントロールでその増加率をある程度押さえることは可能であると考えられます(温暖化の進行を止めることは難しいとしても)。こうした意味でセンター試験の問題は(問題として)無意味なことを問うているわけではないでしょう。

勿論、二酸化炭素の問題は大気・海洋・固体地球・生物圏を通した全地球的な炭素循環の中で考えなくてはいけない問題で、「二酸化炭素地下封じ込め」などはあまり短絡的な発想で考えるべきではなかろうとは思います(でも誰も出題していないと思うが)。また、地球の過去の歴史を振り返れば、現在よりかなり二酸化炭素濃度が高く温暖であった時代や逆に二酸化炭素濃度が低く寒冷であった時代は(様々な時間スケールで何度も)ありました。しかしこうした話は、現象の起こる時間スケールを意識して行わないと無意味なものになる可能性が大です。先の発言者の「今より昔の方が暖かかった」とか太陽の「光量」の話は、とんでもなく時間スケールの違う問題を一緒くたに論じようとしておられるようですが。

Posted by murak at 2007/01/27 (Sat) 16:07:09

短絡?

murak さん、その当たりの話は科学者なら分かっている筈なんですが、僕が大学院生とかと話をした時に「二酸化炭素は毒なんだから地下に封じ込めて何が悪いの」って反論を受けましたよ。複数です。大学院生ですらしかり、しかも、現に地下に封じ込める技術を日本政府は公然と支援していますね。
循環の一部としてでなく、循環から切り離された物質としての二酸化炭素の役割しかみていないから、こういう発想が出て来るのではないでしょうか? センター試験の設問からは、二酸化炭素の(温暖化以外での)役割は見えません。だから、受験生にとっては「二酸化炭素=地球温暖化の敵(=○×式の悪)」と覚えるのが楽な筈です。
あらゆる○×式設問は、同時に一種の誘導尋問です。それを肝に命じて問題を作らないと、へんな誤解を与えます。

Posted by 山内 at 2007/01/27 (Sat) 23:16:34

ガイア

あ、もちろん時間スケールは違いますよ。ガイアってのは循環が前提なんで、その例えで出しました

Posted by 山内 at 2007/01/27 (Sat) 23:23:21

体当たりで解くセンター総合理科

という実験してる人がいます。いいなぁ。
http://portal.nifty.com/2007/01/27/c/
大好き、こういうの。

Posted by Lsl at 2007/01/28 (Sun) 01:48:39
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