Sep 20, 2005

タイトルつけるの忘れてた

ナカムラはいちおう自分をプロの研究者のはしくれだと思っている。で,プロの仕事ならば,その評価は世界に対するアウトプットだけでなされるべきであり,それを達成するのにどれくらい努力したなどかは全く関係ないと思っている。いや,思ってはいるのだが「蛙? 知らない大学生35%」というような記事をみると,これで研究っていうのならお手軽で結構ですね〜,などと思わずにはいられない。ちょっと引用すると:

 大学生の3人に1人は、「春はあけぼの」の意味が分からない——。国立国語研究所の島村直己主任研究員らの研究グループが17日、千葉市で開かれた日本教育社会学会でこんな調査結果を発表した。

(中略)

 調査は今年6〜7月、国立大5校と私立大3校の1〜4年生までの約850人に実施。古文4、現代文2の計6問を出題し、2年前に高校生1〜3年生約1500人に実施した同一問題での調査結果と比較した。

 それによると、古文では、枕草子の「春はあけぼの」の意味を「春は夜が明け始めるころが素晴らしい」と正答できた大学生は62・9%。

(後略)

だって,この手の話はナカムラがものごころついたころからあるし,(たぶん,似たような話はギリシャ時代からあるんではなかろうか?) いまでも年に1,2回は「若者の日本語離れ深刻」とかいう新聞記事をみかける。内容は似たりよったりで,若者何百人かに常識的な (と老人たちがおもっている) テストしてみたらこんなにまちがいました,というものである。この記事では高校生との比較もしてるが,高校生の半数程度は大学受験をするので,できがいいのは当り前だろう。800人程度の調査で正答率を有効数字3ケタまで出してるところをみると,統計的に高級なことをやってるようには思えないし。

これ,たぶん研究者がわからすると「またそろそろ日本語ばなれでもやりますか」ってことで,いわゆる「教養人」なら常識として知っていそうで,普通の若者なら知らなそうなトリビア知識をいくつか用意して,若者を何百人かあつめてテストすればイッチョアガリ,予想通り成績は悪く,でマスコミの記者は入社試験で教養知識をもってるから,「こんな簡単な問題もわからんのか」などど思って「日本語離れ深刻」の記事にあいなるわけである。

いや,だからといってこの手の調査が意味がないわけではなく,たぶん,非線形プラズマ波動の時間発展などよりはずっと社会的インパクトはあるのだろう。さらに,新聞記事は皮相的な内容しか報道しておらず,原論文を読んでみると日本語離れの長期トレンドと時代趨勢の詳細な考察がなされているのかも知れない。でも,「大学生がこんなに間違えました」的な話題には,もうちょっとうんざりって人も多いんじゃないかな。ナカムラもそのひとりです。

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