Jul 21, 2005

ええっ!?

先日書いた一石娘の記事に,核反応以外のエネルギーは質量と等価ではないというコメントをいただいた。げ,本当ですか? (ここまで自信たっぷりに書かれると自分が間違っているのではと不安になる気弱なナカムラであった…。) そんなことはないでしょう,いや,コメントの主は「とおりすがり」さんらしいので,もうこれを読まれていないかもしれないが。もちろん,核反応以外の地上的反応だと,出てくるエネルギーが微々たるものなので,測定にかからないかもしれませんが,質量とエネルギーの等価性はなりたっているはず。E = mc2の式は核力専用ではなく,すべてのエネルギーに使えるはずです。たとえば,エネルギー運動量テンソルの保存則を計算するときに,核力のエネルギーと電磁気力のエネルギーで区別したりはしないでしょ?

この文面から察するに「とおりすがり」さんはかなり科学の知識をお持ちだと感じましたが,そういう人でも結構勘違いしているのですね(ナカムラの勘違いでないとすれば)。ということで結構科学に詳しい人の中で「核反応以外ではエネルギーは質量と関係ない」と思っている人がどれくらいいるのか,知りたくなってきたりして…。

Comments and Trackbacks

だれが正しい

原子核エネルギーの解放だって、「とおりすがり氏」も書いている「励起状態から基底状態へ戻るとき」とある意味、本質的には同じで、電磁力でなく強い力がポテンシャルをつくっているところだけが違うわけですよね。

 半可通が間違ったことを書き散らすと、普通のひとはどれが正しいかわからなくなってしまうわけです。すべてわかったこととして教えるから理科がつまらないんだ、とかいって、一緒に考えよう、というのもいいんだけど、科学的に決着がついている問題に関しては、きちんと権威のお墨付きで Final Answer を与える FAQ サイトがあってもよいと思う。ひとりだけだと、専門家といえども間違うこともあるので、やはり物理学会のようなところで、複数の人が、一応、確認しながら掲載する、という仕組みがあるといいのでは。

特に、相対論がらみではへんなのが多くて、世界物理年日本委員会のページを見ると、ロゴについて、「詳しいことは「相対性理論」や「ミンコフスキー空間」をキーワードとして、インターネットで探ってください。」なんて書いてあるけど、「相対性理論」をネットで検索すると、「間違ってる」系のサイトが上位にいるんですよね。

Posted by nq at 2005/07/21 (Thu) 21:48:13

あぴよーん

正確かつ良質な情報をどうやってまとめ発信するかは緊急の課題のようですな。野尻ボードで一時期盛り上がり、今は菊池さんのブログで続いている「wikipedia をなんとかできるか?」という議論と通じますね。ぼくの答は決まっていて、「自分で最良の物を作ってやる」なのですが、動き始めるのは大変であります。

しかし、このまちがったコメントは、なかなか強烈。「E = mc^2 が核反応限定」というのは、(まともな学生、研究者が)相対論の初歩をちょびっとでも勉強していたらぜったいに出てこない主張でしょう。そのくせ、(ハンドルネームが思いっきり信用ならないことを除けば)文体もしっかりしているし、プロが確信をもって書いている雰囲気が漂っている。どういう人が書いているのだろう。

Posted by たざき at 2005/07/21 (Thu) 23:35:42

いやけっこうよくある

間違いだと思いますよ。前にもネットでそういう話を聞いたことは何度かあるし。
 「ちょびっと」程度の人だと間違えて考えてそうです。ああでも「まともな」人が「ちょびっと」なら大丈夫なんだろうか。
 こないだも世界物理年記念の講演(^_^;)で「E=mc^2はアインシュタインが最初に出した式じゃない、電磁気学に限った話ならもっと前から知られている」という話をしたら驚いてた人いましたから。
 あと学生さんなんかで、まだ物理が骨の髄に達しきってない人の場合は、「電磁気的エネルギーが質量になる」を納得してくれても、それが「炭素Cと酸素O_2の合計の方が二酸化炭素CO_2より重い」に結びつかない。

 今「E=mc^2」でぐぐると私の書いたのが一番に出てくれますが、これで少しは誤解を解消できるでしょうか(だったらいいな)。

 そういえばあの「何がなんでもE=mc^2」は(重力編)を書かなきゃいけないし、田崎さんが計算してくれたコンデンサ問題のファクター2をちゃんと解決しなきゃいけないだった。いろいろ積み残しております(思い出してしまった(;_;))。

 それはさておき、同じように相対論をちょびっと程度だと間違えてしまうのが「宇宙船全体がいっせいに(←ここがつぼ)ビューンと加速するとローレンツ短縮でキュッと縮む」って奴ですな。これなんか「パリティ」紙上で物理のプロのはずの人が間違った論を主張してたりしてました。

Posted by いろもの物理学者 at 2005/07/22 (Fri) 00:49:03

ちょびっと

は、もちろん、ちょびっと皮肉で書いたというのもあります。でも、kinematics だけで E=mc^2 が出てくるという事実だけからでも、核エネルギーをあつかっているわけではないというのは明らかにわかりますね。E=mc^2 の導出(束縛状態が重くなるという議論)まで勉強した人が、「核だけだ」という誤解をしている可能性はやっぱりあり得ない。

それはそうと、「E=mc^2」でトップとはかっこいい。ナカムラさんんは「しょうもないジョーク」でトップがご自慢だったし、ぼくなんか「DQN」で二位なので、ここは見習わなくては。

Posted by たざき at 2005/07/22 (Fri) 04:19:22

ならわなかった

>水素+酸素→二酸化炭素とか
まず、水素12個くっつけて炭素をつくって…。
多分質量変わるように思いますが、学校では教えてもらえませんでしたので自信ないっす。

Posted by tensu at 2005/07/22 (Fri) 05:25:01

そこがつっこむところだったのか。

Posted by たざき at 2005/07/22 (Fri) 08:14:05

夜中に眠い眼こすりながら

 書くもんじゃないなぁ(;_;)。
 もちろん「炭素+酸素」です。

Posted by いろもの物理学者 at 2005/07/22 (Fri) 08:53:23

高校物理では

 なんのメカニズムの説明もなくとーとつに「質量欠損がエネルギーになる」と説明してますね。つまり相対論をちゃんと勉強してない人も、E=mc^2を勉強してしまうわけで、そこではたいてい核反応が例としてあげられている。これでは核反応限定の法則だと思ってしまう人が多いも当然かもしれない。

 最近は高校物理の教科書では原子物理が選択範囲になっちゃったので、この部分を勉強する人はだいぶ減ってそうです。もっともだから誤解が減るとはとても思えないけど。

 今よく見返したら「水素+酸素」と書いているのは私じゃなくてとおりすがりさんじゃないか(;_;)。そんなしょーもない間違いをするのは自分だと確かめもせずに思いこんでしまった自分が悲しい。

(すいません一つ上のは失敗です。削除お願いします>中村様)

Posted by いろもの物理学者 at 2005/07/22 (Fri) 12:15:46

なるほろ

そうだとはいえ、高校物理の知識で堂々とプロの「まちがい」を指摘するという(以下略)

それはそうと、

> そんなしょーもない間違いをするのは自分だと確かめもせずに思いこんでしまった

これ、わらった。

Posted by たざき at 2005/07/22 (Fri) 17:32:36

おお

たくさんコメントありがとうございます。

いろもの物理学者さん
> (すいません一つ上のは失敗です。削除お願いします>中村様)

削除しました。それから,nqさんの投稿が2重投稿になっていたみたいなので,二つ目を消しましたがよろしかったでしょうか?

たさきさんも書いていたが,E=mc^2でgoogleのトップにくるとはカッコイイ。で,このページ,勉強になりますね。E=mc^2が核力限定でないのを示すのに,なにか簡単なトイモデルはないかとちょっと考えたのですが,これなら完璧。

たざきさん:
> ナカムラさんんは「しょうもないジョーク」でトップがご自慢だったし

これ,いま検索してみると2位に転落してますね。ゴッゴルみたいに連呼して順位をあげるか。

しょうもないジョーク・しょうもないジョーク・しょうもないジョーク・しょうもないジョーク (本当にしょうもない…)

>> そんなしょーもない間違いをするのは自分だと確かめもせずに思いこんでしまった
>
>これ、わらった。

同じく。

ところで,「とおりすがり」さんに対して,その書き方でちょっとネガティブなイメージがあったようですが,考えてみればそのおかげでこれだけ話題がもりあがったのだし,実はこれを読んでいて「おお,自分も間違えていた,あぶないあぶない」と思った人も多分いるでしょうから,コメントには感謝しています。これにこりずに,またとおりすがったら,コメントください。

Posted by 中村 匡 at 2005/07/22 (Fri) 18:11:05

中学校の理科で質量保存の法則とか教えてるのが悪なのでは?しかも、それが嘘だったとは後で教えないし。

Posted by MtCedar at 2005/07/23 (Sat) 18:11:22

近似

化学反応等では、反応の前後で観測可能な質量の変化が無い、という意味では間違っていないのではないかと思います。
たしか今のところ、化学反応で質量欠損が起きていることを示す直接的な、実験もしくは観測結果は無いのですよね。
実験で確認できないんだから、信じられないと言われたら説明に苦労しそうな気がします。


Posted by ROYG at 2005/07/24 (Sun) 09:48:06

化学反応

1)電磁気学の基礎方程式(マックスウェル方程式)については、これをは信じるに足りる数多くの実験事実がある。
2)その方程式を使えば電気エネルギーと質量が等価と考えざるを得ない状況を理論的に構成することができる。(たとえば「E=mc^2」でgoogle検索してみよ。これだけでなく外にも例はつくれる。)
3)エネルギーと質量が等価であることは核力では実験的に確かめられているが、理論的にはこの等価性は特に核力であるということを仮定せずに一般的に導出されている。もし、電気エネルギーが質量と等価でないのなら、それを説明する電磁気力限定の整合性のある理論をつくらねばならないが、これは極めて困難。

ということで化学反応(本質的には電磁気力で起きる)でもエネルギーと質量が等価であると信ずるに足るのではないでしょうか?

Posted by 中村匡 at 2005/07/24 (Sun) 20:49:42

科学と無関係で申し訳ないですが

> これ,いま検索してみると2位に転落してますね。ゴッゴルみたいに連呼して順位をあげるか。
>
> しょうもないジョーク・しょうもないジョーク・しょうもないジョーク・しょうもないジョーク (本当にしょうもない…)

連呼したために, 1 位に復帰しているようです (笑)

Posted by Melvy at 2005/08/04 (Thu) 23:09:36

添削のお願い

シロウトです。次のような文章を載せてしまったのですが、このブログをみて急に不安になってきました。間違っているところを教えてください。

原子爆弾の誕生
 1907年アインシュタインが「エネルギー・質量保存則」の公式を発表したことが全ての始まりだったようです。エネルギーと物質は同じもので、エネルギーは質量かける光速の二乗である。E = mc2という美しい公式から醜悪な核兵器が誕生したことはなんとも皮肉なものです。
 当時の列強各国がこの公式に目をつけたのは当然のことでした。なにしろ物質がエネルギーに変わったときに、通常火薬の数百万倍の爆発力が得られるというのだから。
ウランが二つに分かれてクリプトンとかバリウムに分かれたときに少しだけいらない物質ができ、それがエネルギーに変わる。ここにまず目をつけたのです。そしてご承知の通り「公式」の発表から40年を経ずして完成され日本で「実用」されたのであります。

宇宙を作る三つの力
 核エネルギーの説明は、原子核の結合エネルギーの解放としても説明されています。原子核を構成している陽子と中性子は核力というものすごく強い力で結ばれていて、その力を解き放ったのが核エネルギーなのだそうです。
 
 そもそもこの宇宙・世界は、大きく分けて三つの力でつながっているようです。つなぐというと、つい糊や釘を連想するのですが、学者の話はぜんぜん違ってきます。大きいほうからいくと・・・
① 万有引力
② 電気的力
③ 核力
(もう一つ「弱い力」というのがあるようですが、それは②の電気的力に含めても問題はないようです。)
 まず、万有引力。これはお互いよく分かっています。リンゴが落ちるのはもちろん、私たちは地球の引力で地面にくっついている。太陽と地球と月の間に働く力も引力。最も大きな力で無限大のかなたからでも働いている力。
 
次の電気的な力。この力には私たちは日常的にお世話になっています。接着剤なんかも調べてみるとこの電気的な力だそうですが、なんと言っても、原子と原子・分子と分子といった物質をつなぐ働きが一番重要で、全ては電子をやり取りしながら、プラスとマイナスの引き合う力でつながっているといいます。
 
そして核力。これは見たことはありませんが、なんでも原子を作る力で、陽子・中性子同士を硬く結合させるようです。その力は強力で、本来プラス同士で離れようとする陽子同士もくっつけてしまうという。ただし、非常に近い距離でしか働かない力だそうです。

Posted by entrance at 2006/10/18 (Wed) 10:38:26

あえて素人が突っ込んでみる

突っ込みに突っ込まれることで私も勉強になるという作戦です (笑).

> ウランが二つに分かれてクリプトンとかバリウムに分かれたときに少しだけいらない物質ができ、それがエネルギーに変わる。
これはまずいような.分かれたときにその差のエネルギーが放出されるのであって,いったん独立した物質になるわけではないでしょう.

> 大きいほうからいくと・・・
力の大きい小さいは距離によるのであって,非常な近距離ではここに書かれたのとは大小は逆転します.その中間 (原子・分子レベル) に,電気的力が支配的な領域もあるわけです.

あとおまけですが,
> これは見たことはありませんが、
って,力そのものはどれも見えませんよね (笑).

Posted by Melvy at 2006/10/20 (Fri) 09:58:49

先をこされた

というか,いただいたコメントにお返事しなきゃ,と思っているうちにMelvyさんにやっていただきました。(「見たことはありませんが」に対するツッコミもやろうかと思っていた。)

ところで,間違いというわけではないのですが,アインシュタインと原子力をあまりに強く結びつけるのはやっぱり違和感があります。ちょっと考えを整理して,また書かせてもらいます。

Posted by 中村 at 2006/10/20 (Fri) 18:47:00

新しい記事書きました。

http://mira.bio.fpu.ac.jp/tadas/cgi-bin/blxm/blosxom.cgi/061023.htm
ここではあまり人目に触れないと思ったので。

Posted by 中村 at 2006/10/23 (Mon) 20:03:34
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